海上釣り堀の醍醐味といえば、なんといっても青物(ブリ・ワラサ・メジロ)です。
マダイの繊細な引きも楽しいですが、竿が満月のように曲がり、ドラグが鳴り響く青物とのやり取りは、一度味わうと忘れることができない興奮をもたらします。
「青物放流しまーす!」
スタッフのこの声が響くと、イケス全体の空気が一変します。さあ、祭りの始まりです。
この記事では、海上釣り堀の主役であるブリ(大型青物)を確実に仕留めるための攻略法を解説します。
ブリの生態:回遊と活性のスイッチ
群れで動く:1人が釣れたら全員チャンス
ブリは群れで回遊する習性があります。誰かの竿が曲がったら、それは他の魚もスイッチが入った合図(時合い)です。このタイミングでいかに手返しよく仕掛けを投入できるかが、釣果を分けます。
活性の変化:朝イチと放流直後が勝負
ブリの食欲が最も高まるのは「朝イチ」と「放流直後」です。放流された直後の魚は、イケスの中を猛スピード、グルグル回り始め、既存の魚たちの活性も上げます。この「高活性タイム」を逃さないことが、青物攻略の第一歩です。
食性:小魚を追い回すフィッシュイーター
ブリは典型的な肉食魚です。アジ、イワシ、サヨリなどの小魚を主食としています。そのため、釣り方も「動くエサ」や「匂いの強いエサ」が中心となります。
ブリ攻略のタックル:パワー負けしない装備
マダイ用のタックルでは太刀打ちできません。専用の準備が必要です。
ロッド:青物対応の磯竿3号〜4号
- バットパワー重視: 10kgクラスの魚を寄せる力が必要です。
- 長さ: 3.0m〜3.5m。長すぎると取り込みが大変ですが、短すぎると魚をいなしきれません。
リール & ライン:太糸推奨
- リール: スピニングリール4000番〜6000番クラス。
- ライン: PEライン3号〜5号。
- リーダー: フロロカーボン8号〜12号。青物の歯は鋭くないですが、長時間のファイトでの擦れ対策として太めのリーダーが必要です。
クッションゴム:バラシ防止の必須アイテム
青物の引きは強烈かつ急激です。ラインブレイクを防ぐため、太めのクッションゴム(φ2.5mm以上、長さ30cm〜1m)を必ずセットしましょう。

エサ選び:活きエサと死にエサの使い分け
活きアジ:鉄板の最強エサ
迷ったらまずはこれ。活きたアジが逃げ惑う波動は、ブリの本能を直撃します。
冷凍カツオ・イワシ:匂いで寄せる
活性が少し落ちてきた時や、濁りがある時は、匂いでアピールできる死にエサが有効です。内臓ごとぶつ切りにしたカツオや、イワシを丸ごと1匹掛けます。
その他のエサ
- ウグイ(銀兵): アジより丈夫で長持ちします。
- 金魚: 目立つ赤色でアピール。
実釣テクニック:青物祭りに乗り遅れるな
「青物コール」は絶対ルール
誰かがヒットさせたら、すぐに「青です!」と叫んでください。
そして周りの人は、すぐに自分の仕掛けを回収してください。
これは「オマツリ(糸が絡まること)」を防ぐための絶対的なルールです。オマツリすると、釣っている人も周りの人も全員が釣りができなくなり、時間を浪費します。

タナ(棚):底から少し上を狙う
ブリはマダイよりも少し上の層を回遊します。
- 底から1m〜2m切ったあたりが基本アウターです。
- 活性が高い時は表層近くまで食い上げてくることもあります。
誘い:エサを「見せる」
- 活きエサ: 基本は泳がせますが、時々竿をあおってアジに刺激を与えます。
- 死にエサ: 釣り人が動かさないとただの肉塊です。大きめに竿をあおってフォールさせる動きを繰り返しましょう。
食い渋り時の打開策
「放流タイムが終わって沈黙…」そんな時に試すべき一手。
ハリスを落とす
通常8号以上のハリスを、6号や5号まで落とします。リスクは伴いますが、見切られにくくなります。ドラグを緩めて慎重にやり取りしましょう。
エサを変える・小さくする
- カツオの切り身を小さくトリミングする。
- 誰も使っていないエサ(ササミ、イカ、シラサエビの房掛け)を試す。
リアクションバイト狙い
ルアー釣りのように、激しく竿をしゃくってエサを動かし、反射的に口を使わせます。
大ブリが狙えるおすすめ施設
放流数が多い施設=チャンス倍増
関西や三重エリアの大規模施設では、青物の放流量が桁違いです。
- 三重県: イケスが深く大きい施設が多く、10kg超えの「メガブリ」放流イベントも盛んです。
- 「オリーブブリ」などのブランド魚: 四国・関西方面では、餌にこだわったブランドブリを放流しており、味も抜群です。
釣った後の楽しみ:ブリ料理
脂の乗った寒ブリは絶品
冬場のブリは全身に脂が回り、醤油を弾くほどです。
- 刺身・ブリトロ: 釣りたてのコリコリ感と脂の甘み。
- ブリしゃぶ: サッと湯に通すと、余分な脂が落ちていくらでも食べられます。
- ブリ大根・照り焼き: 定番ですが、新鮮な魚で作ると別格の味です。
まとめ:ブリ釣りで味わう「興奮」と「重み」
青物釣りは、個人の技術だけでなく、イケス全体のチームワーク(青物コールなど)も大切です。マナーを守って、あのズッシリとした強烈な引きを存分に楽しんでください。
一度釣れば、あなたも「青物中毒」の仲間入りです。
