海上釣り堀の「脈釣り(ミャクズリ)」入門|この時期こそ感度重視で釣果を出す

脈釣りを解説している記事。繊細なロッドをもった男性がマダイを狙っている様子。

海上釣り堀といえば「ウキ釣り」が一般的ですが、上級者がこぞって実践し、驚異的な釣果を叩き出している釣法があります。それが「脈釣り(ミャク釣り・ミャクズリ)」です。

特に、魚の活性が下がり、アタリが極めて小さくなる冬場において、脈釣りは最強の武器となります。

「ウキには出ないアタリ」を感じ取り、掛けていく。このダイレクトな感覚は一度味わうと病みつきになります。今回は、冬の激渋シーズンを攻略するために必須とも言える「脈釣り」の基本と実践テクニックを入門者向けに解説します。

目次

脈釣り(ミャクズリ)とは?

脈釣りとは、ウキを使わず、オモリと針だけのシンプルな仕掛けで釣る方法です。

ライン(道糸)を張り、竿先(穂先)目視と手元に伝わる感覚(手感度)で魚のアタリを捉えます。

川の渓流釣りなどで用いられる手法ですが、海上釣り堀においても、タナ(深さ)を自由自在に変えられる機動力と、圧倒的な感度の良さで絶大な効果を発揮します。

なぜ冬に「脈釣り」が最強なのか

  1. 微細なアタリが分かる:冬の魚はエサを吸い込む力が弱く、居食い(その場でパクパクするだけ)も多いです。ウキの浮力抵抗ですら違和感となって吐き出す魚に対し、脈釣りなら繊細な穂先でその微かな振動をキャッチできます。
  2. 全層を探れる:ウキ止めを調整する必要がありません。リールを巻いたり落としたりするだけで、表層から底まで全てのタナをシームレスに探ることができます。

脈釣りの基本タックル

脈釣りには、専用の道具立てが必要です。特に「竿」選びが重要です。

1. ロッド(竿)

穂先の感度が全てです。

  • 海上釣り堀専用の脈釣り竿:「脈釣り王」や「海上釣堀赤青」など、各メーカーから専用ロッドが出ています。繊細なグラスソリッド穂先と、青物に負けないバットパワーを兼ね備えています。
  • 長さ:3.0m〜3.5m程度が扱いやすいです。際釣りメインなら短め、中央も狙うなら長めを選びます。

2. リール

  • 小型両軸リール:カウンター付きが圧倒的におすすめです。「底から何メートル」というタナ取りが正確に行えます。
  • スピニングリール:使い慣れているなら2500番〜3000番でもOKですが、細かなタナ調整やすぐに糸を出す動作は両軸リールに軍配が上がります。

3. ライン

  • 道糸:感度優先ならPEライン(1.5号〜2号)。水切れが良く、伸びがないためアタリがダイレクトです。
  • リーダー:フロロカーボン(2号〜3号)を1ヒロ〜2ヒロ結束します。

釣り方の基本プロセス

脈釣りの動作はシンプルですが、繊細さが求められます。

脈釣り(ミャクズリ)の基本プロセス4ステップ図解。
1. 落とす:仕掛けを網際やポイントへ静かに投入し、底まで沈めて着底を確認する。
2. 探る:着底後、糸フケを取り、リールを巻いてタナ(水深)を50cm刻みで上下させ、魚のいる層を探る。
3. 感じる:穂先の微細な震えや違和感、手元に伝わる重みに全神経を集中させる。
4. 掛ける:アタリを感じたら即合わせせず、重みが乗ったタイミングで鋭く合わせを入れ、魚を掛ける。

Step 1:落とす

仕掛けを狙いのポイント(ネット際や中央)へ静かに投入し、底まで沈めます。カウンターリールなら「水深」を確認し、正確に着底させます。

Step 2:探る(タナ合わせ)

着底したら、糸フケを取り、オモリが底を切るか切らないかの状態にします(ゼロテンション)。そこからリールを巻いて50cm上げたり、また落としたりして、魚の反応がある層を探ります。

Step 3:感じる

竿先を注視し、ラインを張りすぎず緩めすぎずの状態をキープします。「コツッ」「フワッ」という穂先の動きや、手元に来る「重み」に全神経を集中させます。

Step 4:掛ける

アタリがあっても即合わせは禁物(冬は特に)。穂先が少し入っても我慢し、さらにグーッと入ったり、重みが乗った瞬間に、手首を返すように鋭く、あるいは竿全体で乗せるように合わせます。

冬の脈釣り攻略テクニック

ネット際(ヘチ)の探り方

冬の魚はネット際(壁)に寄り添っています。竿先をイカダの外に出し、ネットのスレスレを這わせるように探る(ヘチ釣り)は脈釣りの独壇場です。コーナー(角)は特に魚が溜まる一等おススメポイントです。

ステイ(止め)の重要性

動かし続けてはいけません。誘った後は必ず竿を止め、穂先をブラさず、エサを静止させます。脈釣りのメリットは「止めた状態でアタリを待てる」ことです。この「静」の時間にアタリが集中します。

違和感を与えない「送り込み」

魚がエサを触った感触があったら、少し竿先を下げてラインを送り込んでやります。これにより魚は違和感なくエサを深く食い込みます。ここぞというタイミングで合わせを入れましょう。

まとめ:指先に「第六感」を目覚めさせろ

脈釣りの本質は、単なる釣法ではありません。それは、水中の魚と釣り人が、一本の極細ラインを通じて「会話」するような濃密な体験です。

冬の張り詰めた空気の中、視覚(穂先の動き)と触覚(手元の重み)を研ぎ澄ます。
すると不思議なことに、「魚がエサに近づいてきた気配」すらも感じられる瞬間が訪れます。この「第六感」とも呼べる領域に踏み込めるのが脈釣り最大の魅力であり、ウキ釣りにはない快感です。

  • ウキでは見えない世界が見える
  • 魚との距離が圧倒的に近くなる
  • 厳しい冬だからこそ、攻める価値がある

周りが「釣れない」と沈黙する中、あなただけが静かに竿を曲げる。
そんな極上の優越感と、指先から脳天に響くダイレクトなアタリを、ぜひこの冬の海で体感してください。

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