どれだけ美味しそうな高級エサを入れても、魚が全く反応しない…。
冬の海上釣り堀では、そんな絶望的な「沈黙の時間」が頻繁に訪れます。魚探には反応があるのに、目の前にエサを落としても見向きもしない。それは魚が「お腹が減っていない」あるいは「寒くて動きたくない」からです。
そんな時、魚の食欲ではなく 「反射神経」 に訴えかけて、強制的に口を使わせる危険なテクニックがあります。それが「リアクション釣法」です。
沈黙を破る最後の一手、魚のやる気スイッチを無理やりONにする具体的なやり方を公開します。
食性(Feeding)と反射(Reaction)の違い
通常の釣りは「食性(Feeding)」を利用しています。魚がお腹を空かせて、エサを「食べ物」として認識して補食する行動です。
対して「反射(Reaction)」は、 生理的な反射行動 を利用します。
猫の目の前で猫じゃらしを素早く動かすと、お腹が空いていなくても反射的に手が伸びてしまうのと同じ原理です。魚も、目の前で急に動くものや、不規則な動きをする物体に対して、本能的に「噛みつく(攻撃する)」習性を持っています。
冬の低活性時は、この「反射」を利用する方が圧倒的に口を使わせやすい場面があるのです。
代表的なリアクション誘いテクニック

では、具体的にどのようにエサを動かせば良いのでしょうか。代表的な3つのアクション紹介します。
1. 跳ね上げ(ショートジャーク)
最も基本にして強力なリアクション誘いです。
- 仕掛けをタナ(魚のいる層)に合わせます。
- リールを巻かずに、 ロッドを鋭く「ピッ!」と20〜30cmほど跳ね上げます 。
- すぐにロッドを元の位置に戻し、糸フケ(たるみ)を作ります。
エサが水中で「ピョン!」と跳ね上がり、その直後に脱力してその場に留まるような動きになります。この「急な動き」に魚が反応します。
2. フリーフォール
エサが逃げる動きではなく、「落ちてくるもの」への反応を誘います。
- 一旦、狙いのタナより1〜2mほど上まで仕掛けを巻き上げます。
- ロッドを一気に下げて(またはベールを返して)、テンションを掛けずにストンと落とします 。
- 狙いのタナで急停止させます。
自然界では「弱った個体が群れから落ちてくる」動きに見えます。落ちてくる最中や、止まった瞬間に「ガツン」と食ってくることが多いです。
3. シェイキング
細かく震わせてイライラさせる誘いです。
- タナで仕掛けを止めます。
- 竿先を小刻みにバイブレーションさせます 。
- エサをプルプルと震わせ続けます。
魚に対して「目の前にうっとうしい奴がいる」と思わせ、威嚇行動としてのバイトを誘発します。特にマダイやイサキに有効です。
リアクションが有効な魚種・タイミング
有効な魚種
- マダイ : 落ちてくるものへの反応(フォール)や、跳ね上げに弱いです。
- シマアジ : 鋭い動き(キビキビしたアクション)に好反応を示します。
- サーモン・トラウト類 : リアクション釣法が最も効くターゲットの一つです。
- イサキ : フォールやシェイキングでスイッチが入ります。
有効なタイミング
この釣法は「いつでも効く」わけではありません。 「朝一のモーニングタイム(高活性時)が終わった後の、まったりタイム」 にこそ真価を発揮します。
活性が高い時にやると、逆に魚を驚かせて散らしてしまうリスクがあります。「誰も釣れていない」「エサ釣りに反応がない」という時こそ、リアクションの出番です。
エサ選びも重要
リアクション狙いには、動きが出やすいエサが有利です。
- 推奨 : オキアミ、シラサエビ、キビナゴ
- 比重が軽く、水の抵抗を受けてヒラヒラとよく動きます。
- 非推奨 : 練りエサ(ダンゴ)
- 重すぎて鋭い動きが出しにくく、激しく動かすと針から外れてしまいます。
まとめ:静と動の使い分け
冬の釣りは基本的に「動かさない(静)」ほうが正解の場合が多いですが、それでもダメな時の「切り札」として「動かす(動)」のリアクション釣法を持っておくことは強みになります。
基本は「静(待つ釣り)」、ダメなら「動(リアクション)」 。
この順序を間違えないようにしましょう。
竿を鋭くしゃくって、冬の静寂を打ち破る激しいアタリを体感してみてください。それは、魚との知恵比べに勝った証です。
