秋の終盤、海上釣り堀は「青物の最終ラウンド」と「真鯛シーズン本番」が重なる時期。
気温・水温の低下によって魚の活性が変化する11月は、エサやタナの調整で釣果が大きく差が出るタイミングです。全国の動向を踏まえ、今月のポイントをまとめます。
11月の海上釣り堀は「中層~底狙い」が基本
水温15〜18℃帯の魚の動き
秋が深まり、気温が低下する11月は、海面水温も急速に下がる時期です。真鯛やシマアジは安定して釣れるようになり、カンパチやブリなどの青物は朝夕の冷え込みで活性が鈍化し始めます。
この時期の釣果を左右するのは、正確なタナ取りと魚の生態を理解した釣り方です。
11月になると表層での当たりが激減します。夏場は盛んだった表層でのエサ取りが、水温低下に伴って消滅するからです。代わりに、中層から底付近での当たりが増加します。特に水深10m前後のイケスを利用する場合、底から1~2m上の層が最も反応の良いゾーンになります。
タナ取りの基本戦略
釣果を出すために最も重要なのがタナ取りです。
このシーズンは、同じポイント内でも時間帯によってタナが変わることが多々あります。朝方は中層(水深3~5m)に魚が溜まり、日中は底付近、夕方から夜間にかけて再び中層へと移動する傾向が見られます。
タナ取りは「静止」ではなく「動的」に考えることが重要です。頻繁にウキの位置を調整し、その時々の反応を見逃さない工夫が必要不可欠です。
アタリが無い場合は、上下30cm単位でタナを変えてみる試行錯誤が釣果向上の鍵になります。
魚種別の攻略ポイント
真鯛(マダイ)の釣り方
11月は一年を通して真鯛が最も釣りやすい時期です。脂が乗ったマダイは引きも力強く、初心者から上級者まで楽しめるターゲットです。
推奨エサと仕掛け
真鯛狙いには、練り餌、オキアミ、ホタテの3種類のエサが効果的です。
朝一番は練り餌での食い気が良く、日中が進むにつれてオキアミやホタテへの反応が高まります。複数のエサを用意し、その時々の反応を見ながらローテーションすることが成功のコツです。
タナと釣り方
真鯛は底から1~2m上の層に溜まりやすく、この層を重点的に探るのが効果的です。
底を切ることなく、完全に底に着底させずに、ウキが立った状態でじっと待つ待ちの釣りが基本になります。慣れてきたら、竿を軽くあおって誘いを入れることで、さらに食い気を高めることができます。
シマアジの釣り方
青物シーズンから真鯛シーズンへの転換期に活躍するのがシマアジです。11月のシマアジは群れで行動することが多く、群れに当たればまとめて釣ることも可能です。
シマアジが好むエサ
シマアジは小さくて柔らかいエサを好みます。特に小エビやイカの切り身での食い気が顕著です。エササイズは真鯛向けの半分以下を意識し、小さなハリス(2~3号)を用いた繊細な仕掛けが有効です。
群れとの付き合い方
シマアジが水中で群れ行動する時、数匹まとめて釣れることがあります。
一度ヒットしたら、その近辺に群れがいる可能性が高いため、同じポイント・同じタナで継続して探ることをお勧めします。ただし、群れは移動が速いため、機会を逃さない迅速な対応が必要です。
青物(ブリ・カンパチ・ヒラマサ)の戦略
11月は青物シーズンの最終段階です。11月中旬までは全国でブリやカンパチが狙えますが、中盤を過ぎると地域によって釣りづらくなり始めます。
青物の活性が高い時間帯
朝一番の放流直後と、潮が動き始める時間帯が最高のチャンスです。この時間帯のみ青物を狙い、日中はマダイやシマアジに切り替えるという戦略的な使い分けが現実的です。
タックルと仕掛けの工夫
青物狙いには、活きアジやカタクチイワシを泳がせる仕掛けが定番です。ドラグ設定を弱めにしておくことで、青物の激しい引きに対応し、バラシを防ぐことができます。
PE2号程度の道糸に、ハリス6~8号を用いたバランスの取れた仕掛けが推奨されます。
地域別のシーズン状況
北海道・東北の状況
北海道と東北地方は、10月末でほぼ全ての海上釣り堀がシーズン終了を迎えます。11月に営業を続ける施設はごく限定的です。
営業を続ける施設では、サクラマス、カレイ、ソイなどの根魚が主要ターゲットになります。水温が10℃を下回るため、エサは活性の低い魚向けに、イソメや塩エビなどの自然なエサが有効です。
関東・中部の状況
関東と中部地方は、水温が比較的高めに保たれるため、11月中旬まで青物を狙う釣りが成立します。真鯛、イサキ、ウマヅラハギなど多彩な魚種が安定して釣れ、初心者からベテランまで楽しめる最高のシーズンです。
この地域の11月は「釣り堀選びが勝敗を分ける」と言っても過言ではありません。放流量が多く、実績のある施設を選ぶことが釣果向上の第一歩になります。
関西・中国・四国の状況
関西から四国にかけた西日本エリアは、青物ラストチャンス期に突入します。ブリの大型が多く放流される施設が増え、大物を狙う釣り人で賑わう時期です。
真鯛、シマアジ、ハタ系の根魚も好調で、多彩な釣りが楽しめます。このエリアは魚種の豊富さで知られており、一日の中で複数の魚種と出会うことが十分に可能です。
九州・沖縄の状況
九州と沖縄エリアは、黒潮の影響で高水温が持続し、11月でも20℃を超える海水温が保たれます。青物の好調が続き、本州からの釣り旅行客で施設が満杯になることが多いのがこの時期の特徴です。
ファミリー向け釣り堀も多く、手ぶらでの釣行が可能な施設が充実しています。観光と組み合わせた利用が最適な地域です。
釣果を左右する3つの調整ポイント
(1) エサの温度と柔らかさの管理
冷たい海水では、硬いエサに対する食い気が悪くなります。事前に手で温めて柔らかくしてから使用することで、食い気を大幅に改善できます。特に練り餌は、冷たいまま投入すると全く反応しないことがあります。
クーラーボックスの中で冷やすのではなく、可能な限り温かい状態でキープしておく工夫が重要です。
(2) タナの再確認と頻繁な調整
11月は気象条件の変化によって、タナが大きく変わる可能性があります。朝と昼でタナが異なり、さらに午後と夕方でも変わることが珍しくありません。
こまめなウキ位置調整を習慣付けることで、その時々の活性層を逃さず、確実に釣果へ繋げることができます。
(3) 潮止まりの時間帯の戦略的な使用
潮の動きが緩い時間帯(特に昼前後)は、単なる「死に時間」ではなく「チャンス時間」に変えることができます。潮が動かない時は魚も動きが悪いため、積極的な誘いでアピール度を上げることが有効です。
竿をあおって誘いを入れたり、ウキを上下させたりして、エサが動いているような状態を作出することで、活性を引き出すことができます。
11月におすすめの釣具・装備
ロッドとリールの選択
6~7ftのML~Mクラスのロッドが、真鯛から青物までをカバーする万能な選択肢です。このサイズなら、初心者でも扱いやすく、かつ十分な引き味が味わえます。
リールは3000~4000番のスピニングリールが標準的です。PE2号前後の道糸を巻いておけば、様々な釣り方に対応できます。
防寒対策の重要性
11月の海上釣り堀は、天気が良い日でも気温が低いため、本格的な防寒対策が必須です。ネオプレーングローブは、手指の感覚を保つため必携です。
防水パンツとインナーウェアを組み合わせることで、長時間の釣行でも快適さを維持できます。ハンドウォーマーや保温ジャーも、心と体を温めるための有効なアイテムです。
その他の便利アイテム
フィッシュグリップは、掛かった魚を安全に取り込むための重要な道具です。11月は大型の魚が多く、手を傷つけるリスクが高まるため、高品質のグリップを用意しましょう。
今月おすすめのエリア・施設ピックアップ
| エリア | 代表施設 | 特徴 |
|---|---|---|
| 関東 | みうら海王(三浦市) | 大型青物放流・朝イチ勝負 |
| 関西 | 釣堀紀州・水宝 | ブリ・カンパチの終盤戦 |
| 九州 | 天草釣堀レジャーランド | 通年営業・キープシステム |
| 北海道 | 苫小牧港海釣り施設 | サクラマス釣り終了間際 |
まとめ|11月は「寒さ対策」と「タナ調整」で差が出る
11月は一年の中でも釣果の差が最も出やすい時期です。水温低下に合わせたタナ取り・エサ選び・防寒準備を意識すれば、寒さの中でも安定した釣りが楽しめます。
シーズン終盤の青物、脂が乗った真鯛——どちらも狙える”二刀流の季節”を最大限に活かし、充実した釣行を重ねてください。11月の海上釣り堀は、釣り人の知恵と工夫が最も活躍する季節でもあります。

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